COLUMN

2020.07.31

小児科医院・クリニックの内装デザインで必ず押さえたい4つのポイント

小児科医院・クリニックの内装設計やデザインにあたっては、他の診療科と比べ、赤ちゃんや子ども特有の配慮すべき点があります。

 

今回は、快適で安全に診療を進めるため、新規開業や改装時に重要な内装デザインのポイントを紹介します。

 

1:感染防止のための動線・配置

 

一般の内科と比べると、小児科では、水ぼうそうやおたふくかぜ・ロタウイルス・溶連菌など子ども特有の感染症の種類が非常に多いのが特徴です。

 

一方、予防接種やアレルギー治療に訪れるお子さんも多いため、待合室を分けて上記の感染症の患者さんと接触しないような動線設計になっている小児科はとても人気があります。

 

2:赤ちゃんや子ども向けの安全設計

 

赤ちゃんや幼児特有のリスクをふまえ、内装の設計時には次のような点に留意しましょう。

 

  • 不意の転倒に備え、床や壁はソフトな素材を選択する
  • 受付カウンターや柱は、角のない曲線に
  • 玄関・トイレなどは、段差や高低差を少なくして転落防止
  • 子どもだけで院外に出てしまったり手を挟んだりしないよう、高い位置にタッチパネルのある自動ドアなどを採用する

 

3:衛生的な設計とマテリアル

 

生後半年~1歳頃の赤ちゃんは床に手をついてハイハイしたり、床にあるものを手に取って口に入れてしまったりします。

 

そのため床は土足やスリッパを避け、冬には床暖房システムを導入するのが理想的。

 

また近年では、床・壁・ベンチなどに抗菌素材を取り入れる小児科医院・クリニックも増えています。

 

4:快適&リラックスできる待ち時間

 

待ち時間に赤ちゃんや子どもがぐずり出すのは、保護者にとって周囲に気を使い、とても辛いもの。

 

少しでも快適でリラックスして過ごせるようなデザイン、子どもが安心できるようなデザインが喜ばれます。

 

  • パステルカラーや木のぬくもりを感じさせる素材
  • ベビーベッドやサークルを設置するスペースの確保
  • おもちゃや絵本・マンガなどを置くスペースの確保
  • テレビモニター(子どもの手の届かない位置)の設置
  • 泣き声が響かないよう、注射などの処置室は待合室から遠い位置に

 

 

おわりに

 

近年の少子高齢化で小児科の患者数は年々減っていますが、子どもの病気の治療や予防接種などに小児科が欠かせない存在であることはこれからも変わりません。

 

地域で選ばれる小児科となるための参考になれば幸いです。

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