GOOD STORY.05

トリミングサロン&ホテル Amelia

ADDRESS

KOSIGAYA SAITAMA

FLOOR SPACE

87㎡

CONCEPT

わんちゃんがリラックスして過ごせる、我が家のようなトリミングサロンを開業。新しい街で愛される場所作りのGOOD STORY

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CREDIT

Designer Tetsushi Kurokawa
Project Manager Tetsushi Kurokawa

新しい街に誕生、愛されるトリミングサロン

埼玉県の越谷レイクタウンにオープンしたAmelia(アメリア)は、わんちゃんが通いたくなるようなトリミングサロン。店舗オーナーとスタッフが心をひとつに、飼い主さんも安心できて、もう一つの我が家のように幸せを感じられる場所を目指しています。Ameliaに込めた想いをトリマーの中山智美さんに伺いました。

Ameliaの店名に込めた想いをカタチに

――トリミングサロン&ホテルAmelia(アメリア) は、2019年4月1日、越谷レイクタウンにオープンした一軒家のトリミングサロン。犬好きの女性3人のお店らしく愛らしい雰囲気です。この場所に出店しようと思われた理由をお聞かせいただけますか?

中山智美さん(Ameliaスタッフ/以下、中山。敬省略):越谷レイクタウンはまだ新しい住宅街です。私達が新しく事業を始めるにあたって、この街と一緒に成長できたらいいなと思ってこの場所を選びました。オーナーが越谷在住なので、地域への愛着もあります。わんちゃんを飼っている世帯が多いんですよ。

――店舗のコンセプトとAmeliaという店名の由来を教えてください。

中山:わんちゃんが通いたくなるお店、ご家族を幸せにできるお店、楽しくリラックスできるお店がコンセプトです。店名は、このコンセプトに合う言葉を3人で探してAmeliaに決めました。女の子の名前で、愛されるという意味を持っています。

――内装設計者として、このコンセプトを聞いてどんな印象を持ちましたか?

黒川哲志(エイケー/以下、黒川):最初に3人で打ち合わせに来られたときに伺った、「このお店が地域の人の宝物になればいいな」というお話がとても印象的でした。Ameliaという店名に込められた「大切な場所にしたい」という想い、また、上品で可愛らしいラベンダー色をテーマカラーにしたいという要望をいただいたので、この2つを軸にイメージを膨らませました。

――エイケーに内装デザインを依頼するきっかけは?

中山:内装にこだわりたいと思っていました。お客様が入りやすく、わんちゃんにも刺激がなく、落ち着いた雰囲気でトリミングができるように、きれいなラベンダー色を使ってデザインをしてもらえる設計事務所を探して、オーナーがインターネットで見つけました。私が好きな雰囲気の日本橋の天丼屋さんの内装も、エイケーさんのデザインだったので、きっと希望をかなえてくれるだろうと。

黒川:ありがとうございます。最初に皆さんとお会いしたのが2018年6月。施工が2019年1月だったので、約半年の間、時間をかけて一つひとつじっくりとお打ち合わせできてよかったです。

中山:最初から私達のイメージに合う提案をしていただけたので、とても信頼感がありました。

優しい色合いと空間の繋がり、魅せる仕事場

――3人の想いを聞いて、エイケーはどのような提案をしましたか?

黒川:デザインコンセプトは3つあります。1つめは「白とラベンダー」です。テーマカラーとしてラベンダーを使うという前提がありましたが、全体をラベンダー色にするとカラーが濃く出すぎてしまいます。背景色に清潔さを表す白を使うことで、よりラベンダー色の上品さ、可愛らしさを引き立てる提案をしました。

2つめは「エレガントフレーム」です。飼い主さんにトリミング室を覗いてもらい、ペットのわんちゃんがきれいになっていく過程を眺めていてもらいたい、という想いを聞いて、「覗く」という行為を貴重な体験に変えるために、玄関ホールとトリミング室の間の窓をモールディングにより縁取り、額縁の様に仕上げました。

3つめが「オープンワイド」です。1階の玄関ホール、トリミング室、廊下という3つの空間を動線として使いやすいようにどう繋げていくか、あるいは、わんちゃんが勝手にどこかへ行かないようにどう閉じるかを考え、開口部を大きく設けて、高透過ガラスを採用しています。

中山:ほぼ最初の提案どおり進みました。壁紙はいくつか提案をいただき、相談して選んでいったので、皆で店作りをしたという実感があります。ラベンダー色は濃さが難しく、光の当り具合でピンクに見えてしまうことがありますが、選んだクロスは単なる紫ではなく、ラメが入っているので光が当るととてもきれいです。開口部が大きいので、お店が広く見えるのもよかったです。

黒川:トリミング室の壁紙は3人一致で即決でしたね。

中山:私達にとっては仕事場ですが、わんちゃんや飼い主さんには我が家のような空間であってほしいので、壁紙にもこだわりました。フランスのカントリーサイドの一軒家をイメージしていたので、一目見てこの壁紙がいいと思いました。

――ホールからトリミング室を覗くと、映画のワンシーンのようですね。

黒川:愛犬がトリミングしてもらって、可愛くなっていくところを見るのがお客様の一番の楽しみだと思います。メインの開口部は壁面全体のオーダー(調和)を考えながら比例に基づいて割りつけていますが、平坦だとつまらないので、玄関ホール側にはモールディング(飾り縁)を施し、窓下の壁面は波のような見え方の立体的な素材を用いて変化を持たせています。何度か試行錯誤してこのデザインに落ち着きました。

中山:収納もインテリアの一部として見えるようにしたいと思っていました。わんちゃんが届かない高さで、天板の上には物を置くことができ、大容量で使いやすく、汚れてもすぐに拭けることなど、いろいろリクエストさせていただきましたね。わんちゃんが逃げ出さないように入口のゲートは必需品ですが、市販のものでは内装の雰囲気と合わないので造作してもらいました。2階のホテル部分の引き戸や仕切りもオーダーメイドです。

黒川:犬がどういうふうに活動するかを基準に高さや配置を決めました。例えば、コンセントも通常より高い位置に設けています。2階のホテルは1階とは雰囲気を変えてブルーグリーンの壁紙を採用しましたが、ここの特注のソファの色はなかなか決まらず、珍しく悩まれましたね。

中山:そうなんです。ホテルはフリースペースでわんちゃんが落ち着いて眠れる空間にしたくて。色味の微妙なトーンまでこだわり抜いて、納得のいくお部屋ができました。

使いながら作り込んでいく、愛着のある店舗

――商品が並んで、いよいよお店らしくなりましたね。

中山:物販で取り扱っている商品は、私が好きな神戸のメーカーのお洋服です。「このブランドだけしか扱いたくないんです」と頼んで置かせてもらいました。埼玉県では唯一の販売店になります。

黒川:楽しみながら手を掛けてくださるのが嬉しいですね。物販店舗は内装に商品が加わることで空間が完成します。私の考えと皆さんの考えが合わさることで、Ameliaらしい雰囲気が生れると思います。店ができて終わりではなく、ここからが始まり。今後、どう使いこなしていってもらえるのか楽しみです。

――グランドオープンの抱負をお聞かせください。

中山:私達にとって皆さまが初めてのお客様ですので、安心して預けられるように信頼をつくっていきたいです。最初にカウンセリングをして、飼い主さんのわんちゃんに対する想いをお伺いしてから、トリミング、ホテル、ドッグランを利用してもらおうと考えています。私達も、最初にお店のことをきちんとお伝えして、コンセプトを理解してくださるお客様と繋がっていきたいです。

――中山さんから見たエイケーの強みをお聞かせいただけますか?

中山:素敵なデザイン力はもちろん、私達が求めていることを伝えるのは、たぶん下手だったと思いますが、それをうまく汲み取ってイメージどおりの提案してくださいました。壁紙なども候補をいくつか持ってきてくださったり、求めているものがすぐに伝わることが一番嬉しくて、本当に信頼できました。

黒川:そう言っていただけて安心しました。

――黒川さんから見たAmeliaさんの強みは?

黒川:スタッフの仲のよさが強みだと思います。毎回、3人で打ち合わせに来ていただき、いろいろな資料やサンプルを見て、あれこれ言いながら決めていくのが女子会的で、あまり口を挟めない雰囲気もありますが(笑)、楽しく仕事をさせていただきました。こういうものが作りたいという意思統一ができていて、3人のブレがなく、皆さん同じ方向を向いていたので、今後、店舗を運営していくうえでも強みとして発揮されるのではないかと思います。

中山:ありがとうございます。Ameliaが愛されるお店になるように、地域の皆さまと共に歩んでいきたいです。

[店舗紹介]
トリミングサロン&ホテル Amelia 
2019年4月1日、埼玉県の越谷レイクタウンの住宅街に開業。もう一つの我が家をイメージしたトリミングサロン。1階は1日預かりのトリミングサロンと物販、2階はスタッフ常駐でわんちゃんを預かるフリースペースのホテル、屋上にはドッグランを完備して、わんちゃんと飼い主が幸せを感じられる場所を目指している。

[プロフィール]
中山智美 トリマー
トリミングサロン&ホテル Amelia スタッフ 
トリミングサロン勤務を経て独立。オーナーと専門学校時代からの友人と3人でトリミングサロン&ホテル Ameliaを立ち上げ。お客様とのコミュニケーションを大切に、愛される店作りに力を注いでいる。

黒川哲志 一級建築士
横浜国立大学大学院人工環境システム学修了後、建築設計事務所を主宰。2018年にエイケーに入社。店舗やオフィスの内装を中心に、クライアントが本質的に求めているものが何かを考え、クライアントのビジネス発展の一助となること、なにより、そこにいることを心地よいと感じる場を生み出すことをテーマとしている。

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