COLUMN
レトロモダンとは?リビングインテリアの実例や作り方のポイント
「レトロモダン」という言葉を聞いたことはあるものの、どのようなスタイルか分からない方もいるでしょう。
またレトロモダンな内装にしたいけれど、どこから手をつけるべきか悩むかもしれません。
本記事ではレトロモダンとは何か、魅力を徹底解説していきます。
内装に取り入れるためのポイントも紹介するため、ぜひ最後まで読んで理想の空間にしましょう。
レトロモダンとは?
まずはレトロモダンの特徴や、大正レトロ・昭和レトロとの違いを解説していきます。
国によってもテイストは異なるため、日本以外のレトロモダンの特徴についても確認していきましょう。
レトロモダンの特徴
レトロモダンとは、昔の雰囲気を感じさせるパーツを残しつつ、現代的な要素を掛け合わせたスタイルを指します。
床や壁などの素材にアンティーク感を持たせながら、家具や設備をモダン寄りにそろえると独自の空間へ仕上がるのが魅力です。
木材やタイル、鉄、ガラスなど素材の組み合わせ方で雰囲気が大きく変わるため、自分らしさを表現しやすい点も特徴のひとつです。
大正レトロとの違い
大正レトロは、大正時代(1912年~1926年)の文化やデザインを指します。
この時期、日本は西洋文化の影響を強く受け、和洋折衷の建築やインテリアが発展しました。
特に都市部の富裕層の間では、西洋風の家具や装飾品が人気を集めました。
一方、レトロモダンは特定の時代にとらわれず、過去のデザインを取り入れながら現代的なスタイルと融合させたものです。
大正レトロの華やかさを活かしつつ、シンプルで実用的なデザインが加わることで、幅広い世代に親しまれています。
昭和レトロとの違い
昭和レトロは、大正レトロやレトロモダンとは異なり、戦後の庶民文化を色濃く反映したスタイルです。
昭和になると西洋の生活様式がさらに普及し、一般家庭でもダイニングテーブルや黒電話、扇風機などが使われるようになりました。
昭和レトロの特徴は、温かみのあるラワン材の家具や、ポップでカラフルなデザインです。
昭和30年~50年代に流行したレトロな食器など、どこか懐かしさを感じる要素が多く含まれています。
国によってもテイストは異なる
ここでは以下の代表的なレトロモダンの3つのタイプをご紹介します。
- 日本:古民家風のデザイン
- アメリカ:ワイルドなデザイン
- フランス:エレガンスなデザイン
以下で詳しくみていきましょう。
日本:古民家風のデザイン
畳や障子など昔の住宅を象徴する要素を残しながら、照明や家具を現代的に整えるスタイルです。
昭和レトロモダンなインテリアを意識する場合は、ちゃぶ台や座椅子を中心にしても味わい深さが出ます。
北欧レトロモダンインテリアのナチュラルさをミックスすると、重すぎず軽やかな空気が流れるのも魅力のひとつです。
木の温もりとモダンな機能を合わせ持つため、家族みんながくつろぎやすい点も特徴です。
アメリカ:ワイルドなデザイン
アメリカの工場跡地を改装したような無骨なスタイルに、レトロな要素を添えたレトロモダンデザインも人気です。
コンクリートの壁やアイアン素材、ヴィンテージポスターなどを取り入れると一気に雰囲気が引き立ちます。
ダイニングテーブルに古材の板を使用したり、照明器具にレトロ感漂うペンダントライトを吊るすのも良いでしょう。
レトロポップな鮮やかな色合いを加えると、ポップカルチャーを感じる空間へ仕上げられるのも魅力です。
フランス:エレガンスなデザイン
クラシックなヨーロッパ風のインテリアに憧れるなら、曲線が美しい家具やゴールドの小物を取り入れ、壁紙を花柄にしても良いでしょう。
天井にシャンデリア風の照明を飾ると、欧州のエレガンスが同居する贅沢な空間に変わります。
北欧レトロなインテリアが好きな人にも合いやすく、淡い色合いでまとめればさわやかな印象を加えられるのも魅力です。
レトロモダンな内装にする魅力
レトロモダンなインテリアを導入すると以下のようなメリットが得られます。
- 落ち着きと温かみのある空間が生まれる
- 喫茶店のようなくつろげる空間になる
- 古い要素を活かしつつ新たな魅力を引き出せる
詳しい内容をみていきましょう。
1.落ち着きと温かみのある空間が生まれる
レトロモダンなインテリアにすると、温もりのある家具や素材を選ぶため、自然と落ち着く空間が生まれます。
木の質感やアンティーク調のデザインは、心が和やかになるでしょう。
例えば、古材やアンティーク家具を取り入れることで、経年変化の味わいが加わり、より温かみのある雰囲気を演出できます。
懐かしさと新しさが融合することで、幅広い世代にとって魅力的な空間となるでしょう。
2. 喫茶店のようなくつろげる空間になる
木の温もりを感じる家具やアンティーク調の照明を取り入れることで、まるで昭和の喫茶店のような雰囲気を演出することも可能です。
レトロモダンなキッチンを併設したリビングは、居心地の良さを生み出します。
また、ダークブラウンのテーブルやレザー調のチェアを組み合わせると、レトロな空間がより一層引き立ちます。
さらにお気に入りの音楽や観葉植物を加えれば、よりくつろぎ感が増して居心地の良い空間になるでしょう。
柔らかい間接照明を活用して、温かみのある落ち着いた雰囲気を作るのもおすすめです。
3. 古い要素を活かしつつ新たな魅力を引き出せる
レトロモダンな家づくりでは、アンティーク家具やヴィンテージ素材を活用しながら、現代の快適さを取り入れられます。
経年変化した梁や建具を活かせる点は大きなメリットで、新しいものにはない風合いや温もりが空間に深みを与えます。
また、北欧レトロモダンインテリアと組み合わせると、古さとモダンのバランスが絶妙にマッチするでしょう。
例えば、ナチュラルな木目の家具にカラフルなファブリックを合わせることで、落ち着きと遊び心のある空間を演出できます。
また、シンプルな北欧デザインと和の要素を融合させることで、懐かしさと洗練された雰囲気を両立できます。
古材を活かしつつ新しい設備やデザインを加えることで、コストを抑えながら個性的な仕上がりを目指せるでしょう。
レトロモダンな内装にするポイント
レトロモダンとはいえ、ただ古いアイテムを置くだけではまとまりません。
ここでは内装をレトロモダンに仕上げるための、ポイントを紹介していきます。
- 自然素材でレトロ感を強調する
- アンティーク家具を選定する
- 丸みのある家具にする
- 寄木張りフローリングにする
- ガラス素材も取り入れる
- 色使いでレトロ感を演出する
- アクセントとなるカラーも使用する
- 和と洋をバランスよく取り入れる
以下で詳しい内容をみていきましょう。
自然素材でレトロ感を強調する
レトロモダンな空間作りには、木材や石、レンガといった自然素材を取り入れるのも有効です。
特に、無垢材のフローリングや寄木張りの床は、懐かしさを感じさせながらも洗練されたデザインに仕上げられます。
寄木張りフローリングには、ヘリンボーンなどのさまざまな張り方があり、レトロな雰囲気を演出するのに適している素材です。
自然素材を取り入れることで、より一層レトロモダンなインテリアを楽しめるのではないでしょうか。
アンティーク家具を選定する
レトロモダンな空間を作る際、アンティーク家具と現代的なデザインのバランスが重要です。
ヴィンテージ家具の持つ独特の風合いを活かしながら、シンプルで洗練されたモダンなデザインを加えることで、時代を超えた魅力が生まれます。
例えば、昭和レトロな木製キャビネットに北欧モダンのソファを組み合わせると、レトロながらも今風のスタイリッシュな空間が完成します。
また、アンティーク家具の色味や質感に合わせて現代的な照明や装飾をプラスすると、より調和の取れたデザインになるでしょう。
丸みのある家具にする
レトロモダンなインテリアを取り入れる際は、柔らかな印象を与える丸みのある家具を選ぶと、より魅力的な空間になります。
直線的なデザインよりも、カーブを活かしたフォルムのテーブルや椅子を配置すると、レトロな雰囲気が強調されます。
例えば、円形のテーブルや角を落としたオーバル型のダイニングテーブルを選ぶことで、温かさと優雅さを演出できるでしょう。
シンプルながらも丸みのあるデザインを選ぶことで、レトロな温かみと現代の洗練されたスタイルが調和した空間が完成します。
寄木張りフローリングにする
レトロモダンなインテリアを取り入れるなら、床材には寄木張りフローリングを選ぶと、より雰囲気が引き立ちます。
寄木張りフローリングとは、小さな木片を規則的に組み合わせて張るフローリングで、独特の模様が空間に味わい深さを与えます。
このフローリングの魅力は、張り方によって異なる表情を楽しめる点です。
例えば、ヘリンボーン張りは細長い木片を斜めに並べることで、動きのあるデザインが生まれます。
一方で市松張りは、同じ大きさの木片を交互に配置することで、落ち着いた印象を演出できます。
ガラス素材も取り入れる
レトロモダンなインテリアでは、ガラス素材を取り入れることで、空間に軽やかさと趣を加えることができます。
すりガラスは表面に細かい加工を施した半透明のガラスで、柔らかい光を通すのが特徴です。
一方で型板ガラスは片面に模様が施されており、視線を遮りながらも明るさを確保できます。
ガラス素材は、室内窓や扉の一部に取り入れるだけでも効果的です。
特にマンションなどで古い柱や梁を活かせない場合でも、ドアや間仕切りにガラスを使うことで、簡単にレトロな雰囲気を演出できます。
色使いでレトロ感を演出する
レトロモダンなインテリアを作る際、色の選び方が空間の雰囲気を大きく左右します。
特に、くすみカラーを取り入れることで、落ち着いたレトロな印象を演出できます。
また、ブラウンやグレー、深みのあるブルーもクラシックなレトロモダンに馴染みやすい色合いです。
落ち着きと懐かしさを感じさせる色使いを意識することで、統一感のあるインテリアが完成します。
アクセントとなるカラーも使用する
レトロモダンの空間では、色使いが大きなポイントになります。
定番のカラーとしては、ブラウンやマスタードイエロー、ターコイズブルーなどです。
これらのカラーを壁や家具、ファブリックに取り入れることで、懐かしさとモダンさを同時に感じられるデザインが実現します。
特にアクセントカラーとして赤や緑を加えることで、より一層レトロな雰囲気を強調できます。
色のバランスを考慮しながら、程よいレトロ感を演出することがポイントです。
和と洋をバランスよく取り入れる
レトロモダンなインテリアを楽しむためには、和と洋の要素をどのように組み合わせるかも重要です。
どちらの比重を強くするかによって、仕上がりの雰囲気が大きく変わります。
また、どこまでレトロモダンを取り入れるかも考慮しましょう。
小物や家具だけで雰囲気を演出するのか、壁紙や床材などの内装、さらには外観までこだわるのかによっても空間の印象が大きく変わります。
自分にとって心地よいバランスを見つけることが、理想のレトロモダンの空間を作るポイントです。
レトロモダンな外観をつくるには?
一戸建て住宅などで、家の外観にレトロモダンを取り入れるポイントは、以下の4つです。
- レンガやタイルを採用する
- 庭木や石畳、植物を取り入れる
- 屋根は片流れや切妻などにする
- 窓やドアも工夫する
以下で詳しい内容をみていきましょう。
レンガやタイルを採用する
外壁のデザインは家の印象を大きく左右する要素のひとつです。
レトロモダンな雰囲気を作るためには、タイルやレンガ、木材を組み合わせるのがおすすめです。
特に、レンガ調の外壁は昭和レトロな温かみを感じさせ、時代を超えた魅力を演出できます。
また、ホワイトやベージュの塗り壁に、装飾的なモールディング(壁や天井などの装飾部材)を取り入れると、クラシックなヨーロピアンテイストを加えることも可能です。
レトロになるデザインの工夫により、懐かしさと新しさを融合させた魅力的な外観を作り上げられます。
屋根は片流れや切妻などにする
屋根の形状も、レトロモダンな雰囲気を生み出す重要な要素です。
特に、片流れ屋根はモダンなデザインと相性がよく、シンプルながらも個性的な外観に仕上がります。
一方、切妻屋根は伝統的な住宅によく見られ、和の要素を取り入れながらもモダンなアレンジが可能です。
また、瓦や金属製の屋根材を使用することで、耐久性を保ちつつレトロな雰囲気を強調できるでしょう。
庭木や石畳、植物を取り入れる
外観だけでなく、庭のデザインにもレトロモダンの要素を取り入れることで、統一感のある空間が生まれます。
例えば、石畳を敷くことでクラシックな雰囲気を演出し、洋風・和風のどちらのテイストにも馴染むデザインになります。
また、竹や松などの植栽を取り入れることで、和モダンな庭作りが可能です。
ヨーロピアンレトロな雰囲気を演出したい場合は、レンガ造りの花壇やアイアンフェンスを活用するのもよいでしょう。
こういった工夫により、家全体の外観と調和の取れた、美しいレトロモダンな庭を作れます。
窓やドアも工夫する
窓やドアも外観の印象を決定づける重要な要素です。
レトロモダンなデザインにするためには、窓枠や扉の素材や形状にこだわることが大切です。
例えば、格子窓を取り入れることで、昭和レトロな雰囲気を演出できます。
窓の形状も、アーチ型や縦長のデザインを採用することで、より個性的な外観に仕上がるでしょう。
このように、細部のデザインにこだわると家全体の統一感を高められ、魅力的なレトロモダンの外観を作れます。
まとめ
本記事では、リビングを中心としたレトロモダンの実例や内装・外観に取り入れるためのポイントを解説しました。
レトロモダンとは、懐かしさと現代的なデザインを融合させたインテリアスタイルです。
アンティーク家具の活用や色使い、壁紙や素材選びを工夫することで、理想のレトロモダン空間を実現できます。
自分の好みに合わせたデザインを取り入れながら、快適で洗練された住空間を作ってみましょう。
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