COLUMN
小児科医院・クリニックの内装デザインで押さえるべきポイントと費用相場!
小児科医院・クリニックの内装設計やデザインは、ほかの診療科と比べて赤ちゃんや子ども特有の配慮をすべき点があります。
特に、子どもたちが安心して診察を受けられる環境を提供するためには、安全性や快適性などが必要です。
そこで本記事では、快適で安全に診療を進めるため、新規開業や改装時に重要な内装デザインのポイントを紹介していきます。
また、内装工事費用の相場や費用を抑えるコツ、さらに業者選びのポイントについても詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
小児科医院・クリニックの内装デザインで押さえるべきポイント
ここでは、小児科医院・クリニックの内装デザインで押さえるべきポイントについて解説していきます。
小児科医院・クリニックの内装デザインでは、特に以下のポイントを押さえることが大切です。
- 感染防止のための動線・配置
- 赤ちゃんや子ども向けの安全設計
- 衛生的な設計とマテリアル
- 快適&リラックスできる雰囲気を作る
感染防止のための動線・配置
一般の内科と比べると、小児科では、水ぼうそうやおたふくかぜ・ロタウイルス・溶連菌など子ども特有の感染症の種類が非常に多いのが特徴です。
一方、予防接種やアレルギー治療に訪れるお子さんも多いため、待合室を分けて上記の感染症の患者さんと接触しないような動線設計になっている小児科はとても人気があります。
赤ちゃんや子ども向けの安全設計
赤ちゃんや幼児が安心して過ごせる空間を提供するためには、安全性を最優先に考えた設計が欠かせません。
床材や壁材には、柔らかくクッション性のある素材を選ぶことで、万が一の転倒時にもけがを防ぐことができます。
受付カウンターや柱などの設備は、角がない曲線デザインを採用することで、ぶつかった際の衝撃を和らげることが可能です。
また、玄関やトイレなどの出入口には段差を少なくし、段差による転落を防ぐ設計が推奨されています。
自動ドアには高い位置にタッチパネルを設置することで、子どもが勝手に外に出てしまうリスクを減らすことができるでしょう。
さらに、受付カウンターの荷物置台は保護者が使用しやすいように、リュックやトートバックが起きやすい場所と高さに設計にすることで、全体的な利用者の満足度を高めることができます。
衛生的な設計とマテリアル
小さな子どもたちは、床に手をついてハイハイをすることや、床に落ちているものを手に取ってすぐに口に入れてしまうことがあるので、衛生面に配慮した設計が必要です。
土足やスリッパの使用を避け、冬季には床暖房を導入することで、清潔で快適な環境を提供しましょう。
また、床や壁、ベンチには抗菌素材を使用することが推奨されており、病院内の衛生管理が強化されます。
さらに、使用する素材や設備が法規制に適合しているかを確認することも重要です。
特に、抗菌素材や衛生関連の設備は、最新の法規制に従ったものを採用することで、安心して利用できる施設を提供できるでしょう。
快適&リラックスできる雰囲気を作る
小児科医院・クリニックの内装デザインには、快適&リラックスできる雰囲気を作ることを心がける必要があります。
特に以下の3つのポイントが重要です。
- 優しい雰囲気のカラーを取り入れる
- かわいらしいデザインを取り入れる
- 絵本やおもちゃを待合室に設置する
それぞれのポイントについて詳しくみていきましょう。
優しい雰囲気のカラーを取り入れる
小児科医院やクリニックの内装では、優しい雰囲気を作るために色彩の選び方が重要です。
触れたくなるような柔らかい色味を使うことで、子どもたちに安心感を与えます。
たとえば、淡いピンクやライトブルーなどのペールトーンの色合いを取り入れることで、柔らかく包み込むような印象を与えることが可能です。
ピンクやブルーといったベビー用品に使われる色合いは、子どもや親にとっても安心感を与える効果があります。
かわいらしいデザインを取り入れる
子どもたちが親しみを感じて楽しく過ごせる空間を作るためには、かわいらしいデザインや要素を取り入れることが効果的です。
たとえば、ドット柄の壁紙や、空や動物のモチーフを施した装飾を使うことで、魅力的な空間を提供できます。
また、動物や自然をテーマにした、優しい印象を与える壁紙やステッカーを取り入れることで、診察への不安を減らすことも可能です。
特に予防接種など子どもが緊張しやすい場面においては、子どもたちを落ち着かせ、リラックスした気持ちで診察を受けられるようになります。
絵本やおもちゃを待合室に設置する
小児科医院やクリニックの待合室では、診察を待つ間に子どもたちが退屈せず、リラックスして過ごせる工夫が求められます。
絵本やおもちゃを置くことで、子どもたちは遊びながら待ち時間を過ごすことができます。
そして、保護者も安心して過ごせる空間を提供できるでしょう。
たとえば、待合室の一角にキッズコーナーやプレイルームを設けるのも良いです。このようなスペースがあることで、子どもたちは楽しく待ち時間を過ごし、診察への不安も減ります。
また、保護者にとっても子どもが落ち着いている間に自身のリラックスした時間を過ごせるため、全体的な満足度が向上します。
小児科医院・クリニック内装工事費用の相場と内訳
ここでは、小児科医院・クリニック内装工事費用の相場と内訳について詳しくみていきましょう。
小児科医院・クリニック内装工事費用の相場
小児科医院やクリニックの内装工事費用は、一般的に坪単価30万円〜100万円程度が目安とされています。
たとえば、20坪のクリニックを新たに開業する場合、内装工事費用は600万円〜2,000万円程度が相場です。
この費用には、壁や床の工事、設備の設置、什器の配置など、クリニックとしての機能を整えるための全ての作業が含まれます。
しかし、この相場はあくまで参考値で、実際の費用は物件の立地や規模、既存の設備がどれほど残されているか、また新しく導入する医療機器の数や種類によって大きく変動します。
特に、居抜き物件を利用する場合とスケルトン物件からの施工では、費用の差が顕著になるでしょう。
居抜き物件の場合、既存の内装や設備を再利用できるため、費用を抑えることが可能ですが、スケルトン物件では、全てを一から設置し直す必要があるため、総工事費用は高額になりやすい傾向です。
小児科医院・クリニック内装工事費用の具体的な内訳
以下に、小児科医院・クリニックの内装工事費用の具体的な内訳を表でまとめています。
費用のカテゴリー | 内容 | 全体に占める割合 | 20坪の物件にかかる費用 |
諸経費 | 内装デザイン、施工監理、仮設工事、解体作業など | 約20% | 120万円~400万円程度 |
内装工事費 | 天井、壁、床、建具、防音などクリニックの基本的な構造を形成する工事 | 約30% | 180万円~600万円程度 |
設備・機器・什器工事費 | 電気、水道、ガス、照明、空調・換気設備、医療機器、施術台、収納棚などの設置費用 | 約50% | 300万円~1,000万円程度 |
合計 |
|
| 600万円~2,000万円程度 |
費用は、クリニックの規模や立地、使用する素材や設備によって異なりますので、具体的な計画に応じて詳細な見積もりを取ることが重要です。
小児科医院・クリニック内装工事費用を抑える4つのコツ
小児科医院やクリニックの内装工事は、患者である子どもたちが安心して通える施設にするため、デザインや設備にこだわりたいところです。
しかし、質を保ちながらも費用を抑えることも重要です。
ここでは、内装工事費用を抑えるための4つの具体的な方法を紹介していきます。
相見積もりを取る
内装工事を依頼する際には、複数の業者から見積もりを取り、価格やサービス内容を比較することが非常に重要です。
1社だけの見積もりでは、その価格が適正かどうか判断するのが難しいため、最低でも3社以上からの相見積もりを取りましょう。
これにより、業者間の競争が生まれ、費用を抑えた提案が期待できます。
ただし、あまり多くの業者から見積もりを取ると、逆に選択肢が増えすぎて決断が難しくなる可能性があるので適度な数の見積もりを取得して、それぞれの提案を慎重に比較検討しましょう。
居抜き物件を選ぶ
新規で開業する場合に特に検討したいのが、居抜き物件の活用です。
居抜き物件とは、前のテナントが使用していた設備や内装をそのまま引き継ぐ形で利用できる物件のことです。
これにより、大規模な改装や設備の設置が不要になり、工事費用を大幅に削減することができます。
特に、既存のクリニックが入っていた物件であれば、医療施設に必要な基礎的なインフラが整っている可能性が高く、最小限の費用で開業準備を進めることが可能です。
ただし、物件の状態や必要な改装の程度を事前にしっかりと確認し、追加費用がかからないかを見極めることが大切です。
補助金を活用する
内装工事費用を抑えるもう1つの方法として、国や自治体が提供する補助金を活用することが挙げられます。
たとえば、事業再構築補助金は、新しい分野への展開や業態転換などを目指す中小企業を支援するもので、医療機関に対しても適用可能なケースがあります。
この補助金を活用することで、工事費用の一部を補填でき、経済的な負担を軽減できます。
社会医療法人であれば補助金の対象となることが多いため、開業前にしっかりと情報を収集し、利用可能な補助金を最大限に活用することが重要です。
また、補助金申請には一定の要件や手続きが必要となるため、事前に確認し、計画的に進めることが求められます。
一括発注の業者を選ぶ
内装工事を行う際には、設計から施工までを一貫して担当する業者に依頼するか、設計と施工を別々の業者に依頼するかを決める必要があります。
一括発注を選択することで、複数の業者との連携や調整が不要となり、時間と費用を節約できます。
特に、規模の小さい工事や短期間で完了させたい工事の場合、一括発注の方が効率的で、コストパフォーマンスも高くなる傾向があります。
一方で、大規模なプロジェクトや新規開業で全体のデザインにこだわりたい場合には、設計と施工を分離発注することも 1つの方法です。
その場合、費用は高額になってしまう可能性がありますが、より細部にこだわった設計ができます。
小児科医院・クリニック内装工事業者の選び方
ここでは、小児科医院・クリニック内装工事業者の選び方について詳しくみていきましょう。
施工実績を確認する
クリニックの内装工事を依頼する際には、その業者がどれだけの施工実績を持っているかを確認することが大切です。
特に、小児科医院やクリニックの内装には、動線や安全性を考慮した設計が求められるため、一般的な商業施設や住宅とは異なる専門知識が必要となります。
もし、クリニックの内装施工経験が乏しい業者に依頼してしまうと、使い勝手の悪いレイアウトや、医療機関として不十分な設備配置が生じるリスクがあります。
一方で、豊富な施工実績を持つ業者であれば、過去の成功事例を基にした提案や、トラブル発生時の対応が期待できるため、安心して工事を任せられるしょう。
施工実績を確認する際は、具体的な事例や過去の実績を確認してみてください。
口コミや評判をチェックする
内装業者の選定において、実際の利用者からの口コミや評判を調べることも重要なポイントです。
口コミサイトやSNSなどで、業者に対する評価を確認することで、その業者がどれほど信頼されているか、強み、弱みなどを把握できます。
特に、工事の品質や納期の遵守、スタッフの対応など、実際に工事を依頼した人々の声を参考にすることで、適した業者を見つけやすくなります。
接客対応を確認する
業者を選ぶ際には、初期段階での接客対応も確認すべきポイントです。
問い合わせの際の対応や見積もり取得までの速さ、質問への回答の丁寧さなどから、その業者の対応力を判断できます。
クリニックの内装工事は、細かい要望を伝えたり、工事中のコミュニケーションを密に取ったりすることが必要です。
そのため、初期の接客対応が悪い業者に依頼すると、工事が進むにつれてトラブルや誤解が生じやすくなるかもしれません。
一方、親切でプロフェッショナルな対応をしてくれる業者であれば、信頼関係を築きやすく、安心してプロジェクトを進めることができるでしょう。
接客対応の質が、その後の施工の質にも繋がることを念頭に置いておくことが大切です。
アフターフォローの充実度
内装工事業者を選ぶ際に、施工後のアフターフォローがどれだけ充実しているかを確認することも重要です。
クリニックの内装は、工事が完了してからも定期的なメンテナンスや修繕が必要となる場合があります。
そのため、工事後に何らかの問題が発生した場合でも、スムーズかつ適切に対応してくれる業者を選ぶことが大切です。
アフターフォローが充実している業者であれば、クリニックの運営中に発生する小さな修繕や調整にも迅速に対応してくれます。
その結果、施設を常に綺麗で良い状態に保つことができます。
事前に業者のアフターフォロー内容をしっかりと確認し、保証期間やメンテナンス体制についても把握しておくことが、長期的な信頼関係を築くためのポイントです。
まとめ
近年の少子高齢化で小児科の患者数は年々減っていますが、子どもの病気の治療や予防接種などに小児科が欠かせない存在であることはこれからも変わりません。
地域で選ばれる小児科となるための参考になれば幸いです。
エイケーでは、店舗内装の設計・デザインから施工までをコンセプトに合わせてトータルプロデュース致します。
内装設計から施工まで一貫して行うことで、唯一無二の高級内装デザインを高品質でご提供可能です。
小児科医院・クリニックの内装工事でお困りの方は、ぜひ一度エイケーまでお問合せください。
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