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民泊の始め方を10ステップで徹底解説!物件選びと運営のコツも
「民泊を始めたいけれど、何からすべきか分からない…」と悩んでいませんか。
初めて民泊経営に挑戦する方にとって、具体的な手順を知ることは成功への第一歩です。
そこで本記事では、民泊の始め方を10のステップに分け、一つずつ詳しく解説していきます。
また、民泊経営に必要な準備や手続き、運営のポイントも併せて紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
民泊とは?基礎知識と種類
民泊とは、住宅の一部あるいは全体を宿泊施設として貸し出す事業です。
民泊新法・旅館業法・特区民泊の3種類があり、それぞれで営業ルールや特徴が異なります。
それでは、これから民泊を始めようと検討中の方に向け、基本情報と主要な種類を分かりやすく解説していきます。
民泊の定義と概要
民泊とは、自宅や所有する住宅の一部または全体を宿泊施設として、有償で提供する事業のことです。
主に観光客や出張者などを対象に、短期間の滞在を提供する形態です。
日本では「民泊新法」「旅館業法」「特区民泊」などの法律に基づいて運営が行われます。
また、運営形態は大きく分けて「家主居住型」「家主不在型」の2つです。
民泊は柔軟性が高いことから、副業として始める人も増えています。
民泊の需要と市場動向
近年、民泊市場は国内外の観光需要の増加に伴い、急速に拡大しています。
特に訪日外国人観光客の増加から、ホテルの供給が追いつかない地域では、民泊が注目されています。
また、国内では都市部のみならず、観光地や地方都市でも民泊のニーズが高まっているのが特徴です。
さらに、出張やワーケーションといった新しい働き方の普及により、短期間滞在可能な宿泊施設への需要も増加しています。
一方、需要に応じた適切な物件選び、そして地域の特性を生かした運営が成功のカギとなります。
今後も観光促進政策や柔軟な働き方の定着が、民泊市場の成長を後押しするでしょう。
主な民泊の種類
民泊は法律によって「民泊新法(住宅宿泊事業法)」「旅館業法」「特区民泊」の3種類に分類されます。
営業日数や許可要件がそれぞれ異なるため、ご自身の運営スタイルに合った形を選ぶことが重要です。
それでは、一つずつ解説していきます。
民泊新法
民泊新法(住宅宿泊事業法)は、住宅を宿泊施設として提供するに当たり、必要なルールを定めた法律です。
民泊営業日数を年間180日以内に制限し、都道府県への届出や管理者の配置を義務付けています。
また、浴室やトイレなどの設備が完備されていること、入居者が募集されている家屋であることなど、設けられた条件を満たす必要もあります。
違反すると罰則が科されるため、ルールを守った適切な運営が重要です。
旅館業法
旅館業法とは、宿泊施設を運営する際に遵守すべき法律です。
この法律では、施設を「旅館・ホテル営業」「簡易宿所営業」「下宿営業」に分類し、それぞれで営業基準が定められています。
旅館業法は営業日数に制限がないため、民泊新法よりも売上を見込める点がメリットです。
一方、初期費用がかかることや、開業へのハードルが高い点がデメリットだといえます。
特区民泊
特区民泊は国家戦略特別区域法に基づき、特定の地域で認められる民泊形態です。
旅館業法と同様、年間営業日数に制限がなく、365日運営できます。
ただし、最低宿泊日数が2泊3日以上であること、各居室の床面積が25㎡以上であることなど、条件を満たさねばなりません。
なお、自治体ごとに要件が異なるため、事前確認が必要です。
家主居住型・家主不在型にも細分化される
民泊は運営形態によって「家主居住型」「家主不在型」の2つに分けられます。
家主居住型は家主が同じ建物内に居住しながら運営する形式で、宿泊ゲストとコミュニケーションが取りやすいことから、トラブルの防止にも役立ちます。
一方、家主不在型は物件全体を貸し出す形式で、ゲストはより自由度の高い滞在が可能です。
ただし、管理業務は外部業者に委託する必要があり、その分コストが発生します。
運営スタイルの選択は、ご自身の利用目的や生活環境に応じ、慎重に行うことが重要でしょう。
民泊開業に必要な初期費用
民泊を始める際の初期費用は、一般的に50~100万円程度かかります。
主な費用項目として、賃貸物件を利用する場合の敷金・礼金、消防設備の設置費用が挙げられます。
また、ゲストが快適に滞在できるよう、家具・家電をそろえる購入費用も必要です。
ほかにもリネンや清掃用具、行政への届出手続きにかかる費用も発生します。
初期費用を抑えるためには、中古家具を活用したり、改装不要の物件を選んだりする工夫が有効です。
民泊を始める10ステップ!
民泊を始めるにあたり、物件選びや許可申請、設備の準備など、具体的な手順を追って準備を進めることが重要です。
ここでは、初心者でもスムーズに民泊運営を始められるよう、10のステップで分かりやすく解説していきます。
ステップ1:物件を選ぶ
民泊を成功させる第一歩は、適切な物件を選ぶことから始まります。
立地条件や交通アクセス、観光地への近さなどを考慮して、ターゲットにするゲストのニーズに合った物件を選定しましょう。
また、間取りや設備の状態も重要なポイントです。
さらに、地域の条例や規制によっては、民泊運営が制限されている場合があるため、事前の確認が必要です。
併せて収益性や競合物件の状況も調査し、ゲストが快適に滞在できる物件を慎重に選びましょう。
ステップ2:設備要件を満たす
民泊運営を始めるためには、物件が消防法や建築基準法の設備要件を満たさなければいけません。
具体的には、自動火災報知設備や誘導灯、非常用照明や消火器などを適切に設置し、安全対策を徹底します。
また、カーテンや寝具には防炎素材のものが推奨されます。
これらの要件は物件の構造や用途によって異なるため、事前に管轄の消防署に相談の上、正確に把握することが重要です。
適切な設備を整えることにより、安全で信頼される運営が可能となります。
ステップ3:許可申請・届出を提出する
法的に必要な許可申請や届出を行うことも、民泊を運営には必須です。
前述のとおり「旅館業民泊」「特区民泊」「新法民泊(住宅宿泊事業)」の3種類があり、それぞれで手続きが異なります。
新法民泊の場合は年間180日以内の営業が可能で、物件の図面や誓約書、消防設備の確認書類などを用意し、自治体へ届出を提出します。
ただし、手続き内容や必要書類は地域によって異なるため、管轄の保健所や自治体の窓口で詳細を確認し、適切に対応しましょう。
ステップ4:近隣へ挨拶する
民泊を運営にあたり、近隣住民への事前挨拶は大切です。
事前に運営の目的やゲストへのマナー指導方針、緊急時の連絡体制を説明することにより、安心感を与えてトラブルを未然に防ぎます。
なお、地域によっては近隣住民への説明が義務付けられているため、自治体の指導に従い、適切に対応しましょう。
また、運営中に問題が発生した場合は迅速に対応し、地域との信頼関係を築けるよう心掛けてください。
ステップ5:リノベーションをする
民泊運営を始めるならば、リノベーションを行うと物件の魅力向上に効果的です。
特に、水回りやキッチンなどの清潔感が求められるエリアは、重点的に改修するとゲストの満足度が向上します。
リノベーションは予算や工期に応じて、DIYで行うか、専門業者に依頼するかを検討しましょう。
なお、自治体によっては、補助金制度が利用できる場合もあります。
リノベーションを行う際は、コストや税制を考慮しながら、計画的に進めることが大切です。
ステップ6:設備を準備する
民泊運営において、ゲストが快適に過ごせる設備の準備は欠かせません。
ベッドやソファといった基本的な家具に加え、エアコンや冷蔵庫、洗濯機などの家電もそろえましょう。
Wi-Fi環境の構築も、現代の旅行者にとっては重要なポイントです。
また、アメニティとして清潔なタオルやシャンプー、歯ブラシセットを用意することで、ゲストの満足度も向上します。
さらに、非常時に備えて消火器や安全設備の設置、避難経路の表示も忘れずに行いましょう。
ステップ7:プロに写真を依頼する
民泊の魅力を効果的に伝えるには、高品質な写真が重要です。
プロのカメラマンに依頼することで、部屋の広さや清潔感を最大限に引き出した写真を撮影してもらえます。
また、ドローン撮影を取り入れると、物件周辺の景色や立地の魅力をダイナミックに伝えることが可能です。
広角レンズや適切なライティングを活用し、ゲストが「泊まりたい」と感じる雰囲気を演出しましょう。
整理整頓された部屋と魅力的な撮影が、予約率向上のカギとなります。
ステップ8:ガイドを用意する
民泊運営ではゲストの満足度を向上させるよう、分かりやすいガイドを用意することも大切です。
ガイドにはチェックイン・チェックアウトの手順や設備の使い方、Wi-Fiの接続方法などを掲載しましょう。
また、騒音防止やゴミの分別など、ハウスルールを明確に記載することにより、トラブルの防止にも役立ちます。
近隣の観光スポットや飲食店などの情報を記載するのもおすすめです。
さらに、外国人ゲストを想定して、多言語対応のガイドを準備すれば、スムーズな滞在を提供できます。
ステップ9:清掃業者を決める
民泊運営において、清掃業者の選定はゲスト満足度を左右します。
清潔な環境を維持し、良い口コミの獲得やリピート率向上につなげるためにも、清掃の質が高い業者を選ばなければなりません。
業者を選定する際は、実績・口コミ・料金体系を確認し、複数の業者を比較検討することをお勧めします。
また、地元の清掃員に依頼すると、費用を抑えながらも、地域に密着した柔軟な対応に期待できます。
予約スケジュールや緊急時の対応力も併せて確認し、信頼できる業者を選びましょう。
ステップ10:予約サイト(OTA)へ掲載する
民泊の集客効果を最大化するためには、予約サイト(OTA)への掲載が欠かせません。
高品質な写真や魅力的な説明文にすることで、閲覧者の興味を引き付けることができます。
また、料金設定や予約可能日を明確に記載し、ゲストが利用しやすい環境を整えることが大切です。
さらに、多言語対応を導入することにより、外国人観光客の利用促進にも期待できます。
民泊経営で重要な物件選びのコツ
民泊運営の成功には、物件選びも重要なポイントです。
立地条件や周辺環境、ターゲット層のニーズに合った物件を選ぶと、集客効果と満足度の向上が実現可能となります。
物件選びのコツ
物件を選ぶ際は、以下の5つに注目しましょう。
- 立地条件
- 周辺環境
- 物件の設備や間取り
- 自治体の規制
- ターゲットのニーズ
観光地や主要な交通機関へのアクセスが良い物件は、集客力を高める要因です。
ゲストが滞在中に移動しやすい場所に民泊を構えることで、高い予約率が期待できるでしょう。
例えば、安全で静かな住宅街や治安の良いエリアは、ゲストに安心感を与えられます。
また、コンビニやスーパーが近くにあると、利便性が高まることから、滞在中の満足度も向上します。
さらに、物件を選ぶに当たり、民泊運営可能なエリアかを確認することも必須です。
自治体の規制や用途地域によっては民泊が禁止されている場合があるため、事前の調査を徹底しましょう。
ターゲットとするゲストのニーズに合った物件を選ぶことにより、収益性を高めることができます。
家族向けやビジネス客向けなど、具体的なターゲット層を意識して選択すると良いでしょう。
物件探しで失敗しないための注意点
物件探しで失敗しないために、以下の点に注意しましょう。
- 自治体が定める規制の確認
- 消防設備の設置要件の確認
- 築年数と間取りの検討
- 周辺環境のチェック
まずは、民泊営業が可能な地域かどうか、自治体が定める規制の事前確認が不可欠です。
用途地域であったり、営業日数を制限していたりする場合があるため、気を付けましょう。
また、火災報知器や消火器など、消防設備を設置できる物件であるか、あらかじめ確認することが大切です。
この確認を怠ると、民泊の運営許可が下りない場合があります。
さらに、ゲストのターゲット層に合った間取りとなっているかも重要です。
加えて、治安が良いエリアであること、コンビニやスーパーが近いなどの利便性も考慮することが、快適な滞在に直結します。
民泊経営で重要なポイント
民泊経営を成功させるには、事前に準備を行い、運営中も注意しなければなりません。
特に消防設備の不備や無許可営業は、行政処分の対象となるため注意が必要です。
また、ゲストとのコミュニケーション不足によるトラブルも珍しくありません。
そのため、予約前にハウスルールを明確に伝え、チェックイン時に再度ルールを説明することにより、トラブルを未然に防げます。
ゲストの満足度を第一に考えながら、柔軟に対応することが成功の秘訣なのです。
具体的な失敗事例や対策については、こちらの記事で詳しく解説しているので、併せてご覧ください。
民泊経営でよくある失敗例や対策はこちら
まとめ
民泊を成功させるためには、物件選びや法的手続き、設備の準備や清掃管理など、各ステップを丁寧に進める必要があります。
また、ゲストのニーズに応じた物件選定、清潔で快適な環境作りを行うことで、高評価と集客の拡大につながります。
さらに、近隣住民への配慮やトラブルを防止するために、ハウスルールの設定も欠かせません。
こうした一つ一つの準備が、安定した運営と収益向上の基盤となります。
ぜひ本記事を参考にしながら、着実に準備を進めて、民泊経営を成功させましょう。
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