COLUMN
歯科医院の内装工事を成功させるためのポイントと内装事例まで解説
「歯科医院の内装工事はどんなもの?」
「内装事例を知りたい」
歯科医院を新しくオープンしたり、リニューアルしたりする際に、患者様に好まれる内装とポイントを知りたい方は多いのではないでしょうか。
本記事では、内装工事を成功させるポイントから内装事例まで解説します。
歯科医院の内装を成功させるポイント
歯科医院の内装を成功させるポイントを紹介します。
ポイントを押さえて理想とする歯科医院を目指しましょう。
診療ブースを個室化する
歯科医院の内装を成功させるポイントは、診療ブースを個室化することです。
患者様がお互いに顔を合わせることがなく、プライバシーの保護につながり来院しやすくなります。
個室化するメリットは、自分だけの空間を持つことになるため、ゆっくりと有意義な時間を過ごすことができることです。
また、コロナウイルスが蔓延している状況下では、個室化することで感染予防にもなるため、安心して治療を受けられる環境作りもできます。
居心地の良さを重視
居心地の良さを重視すると、その歯科医院のイメージアップにつながるため「次回のメンテナンスも同じ歯科医院が良い」とリピーターの獲得につながります。
初めて来院する人はインターネットで検索をしてから、内装のデザインを見て「安心できそうか」「対応は丁寧か」「圧迫感はなさそうか」などを重視しています。
まだ来たことがない患者様に好まれる歯科医院にするには、居心地の良い内装作りと、宣伝活動を定期的に行うことが大切です。
歯科医院のコンセプトを確立する
歯科医院のコンセプトを確立すると、店舗の方向性を決めることができ、患者様に安心感と統一感のある内装を提供できるため、コンセプトの確立は重要になります。
コンセプトとは、「概念」や「発想」の意味を指し、ビジネスをする上で商品やサービスをはじめとした、プロジェクトの基本的な方向性や枠組みに使われる場面が多い傾向です。
歯科医院の場合は、どのような印象や価値観を患者様に伝えるかを考える際に、コンセプトによって自社の強みと競合他社との差別化を図るなどの重要な役割を果たします。
患者様の年齢層を把握する
患者様の年齢層を把握し、そういった方々のニーズに合った内装を施すことが重要です。
例えば、お子様や高齢者の年齢層が多い歯科医院の場合は角に丸みを帯びたインテリアを利用したり、バリアフリー対策をしたりなど、安全面や利便性を重視した工夫を施す必要があります。
また、若い世代の方々が多い歯科医院の場合は、流行りのトレンドのインテリアを入れたり、清潔感を全面的に出したりした内装に決めると良いでしょう。
患者様のニーズに合わせた内装をすると、親しみや満足感を与えることができ、リピーターに繫がる可能性が高くなります。
統一感のある内装作りを目指す
壁色や電気の配色以外にも素材やインテリアなど、全体的に調和した統一感のある内装を目指しましょう。
統一感のある内装作りをすると、見た目に美しさが生まれて、清潔感や居心地の良さにも繫がり、快適な空間が提供できます。
まずはコンセプトを決めて患者様に合った素材や色彩のデザインを選定することが重要です。
ユニバーサルデザインを意識する
ユニバーサルデザインを意識することで、車いす利用者や目・耳が不自由な方、妊産婦の方など、多くの方に安心して利用していただける歯科医院を提供できます。
スライド式のドアや段差のない出入り口、トイレのスロープなどのユニバーサルデザインを取り入れると良いでしょう。
歯科医院の内装デザインを決めるうえで大切なこと
歯科医院の内装デザインで大切なポイントを7つ解説します。
患者様が安心して快適に過ごせる内装作り
内装デザインで大切なポイントは、おしゃれな内装よりも「患者様に安心して快適に過ごしていただけそうか?」ということを考慮しなければなりません。
たとえば、受付に暖かい配色の間接照明を取り入れて安心感を与える内装をしていても、「スタッフの動線スペースが確保できていなくて騒がしい」「モノで溢れかえっている」ような内装では落ち着かなくなります。
デザインを決める上で患者様の視点になって考えることで、おしゃれな内装デザインと快適に過ごせる内装デザインの両方を叶えることが可能です。
清潔感のある内装
清潔感のある内装デザインは、患者様が安心してリラックスできる空間を目指す上で覚えておきたいポイントになります。
内装デザインに使う素材は汚れが落としやすく、掃除が容易にできるものを選びましょう。
また、入り口でスリッパに履き替えて貰うことで汚れを最小限に抑えることができるため、より清潔感を重視した内装を目指すことができるでしょう。
明るさを重視した待合室にする
待合室は広いスペースと自然の光や植物などを取り入れることにより、患者様がリラックスでき、落ち着いた気分で待つことができます。
また、明るい色調の壁や床を取り入れることでも明るい印象を与える事ができるでしょう。
経年劣化を視野に入れたデザインとする
内装デザインを決める際に、経年劣化を視野に入れてデザインをすることが重要です。
考慮しないでデザインを行うと、傷や汚れが目立ってしまったり、色の具合が変わってしまったりなどの弊害が起こってしまいます。
経年劣化を視野に入れ、素材選びや配色などにこだわることで、長期的に内装デザインを維持できるようになります。
適切なインテリアを選ぶ
適切なインテリアを選ぶと患者様の満足度の向上やリピーター確保に繫がる可能性が上がります。
たとえば、高齢者やお子様が多い歯科医院は、高さと素材にこだわって座り心地の良いソファを取り入れることで、待合室をリラックスして過ごしていただけるでしょう。
また、お子様が多い場合は、歯科医院は「怖い」というイメージを払拭するためにキッズルームの導入やパステルカラーなどの優しい配色を取り入れると、楽しい雰囲気を作ることができ、親子に満足していただけます。
患者様の特徴に合わせて適切なインテリアを選ぶと、居心地の良さや安心感につながるため、大切なポイントの1つです。
プライバシー保護に配慮する
歯科医院では個室にしたり、パーテーションを取り入れたりするなどプライバシーの保護に配慮することで通いやすい場所が実現します。
歯科医院は地域に住んでいる方が通うため、患者様同士が顔を合わせることもあるでしょう。
そのため、「治療内容を知られたくない」などの個々の気持ちに配慮し、お互いに治療内容がわからないようにプライバシーの保護をしましょう。
プライバシーを保護する方法は、治療ブースの個室化以外に、動線スペースを患者様同士すれ違わない工夫をする、待合室ではスペースを広く取って視線を遮る植物やインテリアを置く、などの配慮をすると安心感や居心地の良さにも繫がります。
歯科医院の内装工事事例
実際の内装工事事例を参考にしましょう。
サロンのような内装
引用:エス歯科クリニック
エス歯科クリニック様は、ブロンズとマーブル調の大理石を基調とし、アシンメトリーな要素を入れることで、モダンでスタイリッシュなサロンのような内装デザインです。
高級感がある中にも木目を取り入れることで温かみを加え、患者様に落ちついていただけるように配慮されています。
治療室はガラス張りで開放感を持たせながら、ガラスフィルムでプライバシーを守り、心地良さのある空間を提供しています。
歯科医院の内装工事にかかる費用は?
歯科医院の内装工事を行うにあたって、かかる費用の内訳から費用を抑える方法まで紹介します。
費用相場
歯科医院の内装工事の費用相場は、坪単価10万〜50万円程度です。
ただし、物件の規模や種類・使用する建材のグレードによって工事費用は異なります。
物件の種類は2種類です。
- 居抜き
- スケルトン
院内のスペースが広くなると総コストは上がるため、物件や土地を探す際には想定患者数に合わせた検討がおすすめです。
歯科医院を運営するには、その他にも医療機器・電気設備・水道設備なども忘れずに揃える必要があるため、トータルコストが高くなる傾向にあります。
コストを下げる方法は、内装のグレードを下げる、インテリアは既製品を利用するなどの方法です。
内装のイメージを内装工事業者に相談して、プロ目線の提案やアドバイスを聞いた上で方向性をすり合わせすると、完成度の高い歯科医院を作ることができます。
費用の内訳
歯科医院の内装費用の内訳をまとめました。
平均的な20坪のスケルトン物件を工事する費用を試算しています。
内装工事費用の内訳 | 内装工事費用の内訳 | 内装工事費用の内訳 |
内装工事費用の内訳 | 全体の10% | 100万円~150万円 |
施工管理費 | 全体の10% | 100万円~150万円 |
内装費(壁や床)など | 全体の40% | 400万円~600万円 |
内装費(壁や床)など | 全体の30% | 300万円~450万円 |
諸経費 | 全体の10% | 100万円~150万円 |
合計 | 100% | 1000万円〜1500万円 |
内装費と設備費で、全体の70%を占めます。
施工する内装グレードによっても変動します。
グレード | 費用(一坪あたり) | 平均総額(15坪) |
ライトグレード | 約30万円~ | 450万円 |
ミドルグレード | 約50万円~ | 750万円 |
ハイグレード | 約70万円~ | 1050万円 |
内装や工事があまりない居抜き物件は、坪単価10万円程度で済む場合もあります。
費用を抑えるには
費用を抑えるには内装のグレードを下げる、インテリアは既製品を利用するなどさまざまな方法がありますが、特に居抜き物件で行うことがおすすめです。
居抜き物件は、新しく1から設計するよりも内装費用と原状回復費用を削減できるため、元々歯科医院が使っていた物件を利用できるとさらに良いです。
ただし、歯科医院だった居抜き物件を自ら見つけるのは困難なため、不動産会社に連絡をして居抜き物件が出ないか確認してもらいましょう。
歯科医院の内装工事を成功につなげる業者の選び方とポイント
「内装業者をどこに頼んで良いかわからない…」
優良な業者選びをするために、見極めるポイントを解説します。
トータルサポートができるか
歯科医院の内装工事をトータルサポートできる業者なのかは、優良な業者を選ぶために重要です。
歯科医院に特化した内装工事業者は、内装デザインの他にも開業に適した土地探しから集客のサポートまでしてもらえるところもあります。
アフターフォローも充実していて、長期的なお付き合いのできるパートナーのような業者を選ぶことができれば、歯科医院を経営する上で負担を減らすことが可能です。
施工実績があるか
歯科医院の内装工事を成功させるためには、施工実績が豊富にあるのかを見て判断することが重要です。
テナント内装の施工実績の多い業者でも「歯科医院はしたことがない」ケースはあります。
そのため、歯科医院ならではのスタッフ動線や満たすべき要素の知識がないため、希望内容に対応できないこともあります。
歯科医院の内装実績があり、経験豊富な業者を選ぶことが大切です。
こまめに連絡が取れるか
歯科医院の内装工事を成功につなげるためには、こまめに連絡の取れる業者を選ぶことです。
歯科医院の施工は、数か月以上にわたって変更や追加などイレギュラーが発生することもあります。
そのため、コミュニケーションがこまめに取れる施工業者であることが重要です。
こまめに連絡が取れるのはメールや電話だけでなく、チャットアプリなどでもこまめに連絡の取れる内装業者なのかで判断しましょう。
専門性と理解力があるか
歯科医院の内装を成功させるためには、専門性と理解力のある業者を選ぶことが大切です。
歯科医院の内装は他の一般的なオフィスや店舗と異なる性質を持っています。
たとえば、特殊な医療機器や医療道具、感染症防止に対する規制などがあげられます。
歯科医院の専門性とは、歯科医院の特性やニーズについての深い理解があるかを指しており、専門性のある業者は最適な施工に対応することが可能です。
そのため、歯科医院の内装業者を選ぶ際には専門性と理解力のある業者に依頼することで、法令順守から患者様に寄り添った施工、安心感のある通いやすい歯科医院を実現できます。
まとめ
歯科医院の内装工事を成功させるには、いくつかのポイントをおさえることが重要です。
歯科医院を新しくオープンする、リニューアルする際に、患者様に好まれる内装とポイントをおさらいします。
- 居心地の良さは全体のイメージにつながるため、「次回のメンテナンスも同じ歯科医院が良い」とまた行きたくなる歯科医院を実現するために重要です。
- 診療ブースを個室化することで患者様がお互いに顔を合わせなくて良いため、プライバシーの保護につながって来院しやすくなります。
専門業者に依頼する事で上記のようなポイントを押さえた内装工事を実現することができます。
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