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クリニックの外観をデザインする際のポイント!工事費用を抑える方法も解説
クリニックの開業にあたり、外観をどのようにデザインするかは、非常に重要なポイントとなります。
外観は患者様がクリニックに対して持つ第一印象を左右し、クリニックのイメージやブランドを形作る上で欠かせない要素です。
しかし、理想を形にする過程で「どのようなデザインがおしゃれなのか?」や「コストをいかに抑えるか?」といった課題に直面する方も少なくありません。
そこでこの記事では、クリニックの外観をデザインする際のポイントをご紹介します。
さらに、工事費用を抑える方法も解説しているので、クリニック開業予定の方はぜひ参考にしてください。
クリニックにおける外観の重要性
クリニックの外観は、ただ建築の表面を飾るだけのものではありません。
外観は、クリニックが患者様に与える第一印象のもととなり、そのイメージが患者様のクリニックに対する信頼感や安心感に大きく影響します。
ここでは、クリニックにおける外観の重要性について詳しくみていきましょう。
第一印象が決まる
クリニックの外観は、患者様がその場所に対して抱く第一印象を大きく左右します。
外観が清潔で魅力的であれば、「このクリニックなら信頼できそう」と感じる患者様も多いでしょう。
しかし、古びていたり、手入れが行き届いていなかったりすると、たとえ中の設備やサービスが優れていても敬遠されてしまいます。
そのため、クリニックの外観デザインには、患者様にとって安心でき、信頼を得られるような要素を盛り込むことが重要になります。
内装との一貫性が必要
クリニックの外観と内装に一貫性を持たせることは、患者様に安定した印象を与える上で非常に重要です。
外観から感じるイメージと内装が一致していると、患者様はクリニック全体の信頼性や専門性をより強く感じることができます。
この一貫性は、患者様がクリニックの雰囲気にすぐに慣れ、安心して治療を受けられる環境を作り出す助けとなります。
そのため、開業する際は一貫性を意識しながらデザインすると良いでしょう。
診療科によってデザインは異なる
クリニックの外観デザインは、提供する診療内容やターゲットとする患者様の層によって最適なものが異なります。
たとえば、子どもが多く訪れる小児科では、明るく楽しい雰囲気のデザインが好まれるでしょう。
また、高齢者が主な患者層の内科では、落ち着いた色合いやバリアフリー設計が重要です。
診療科に合ったデザインを採用することで、患者様がクリニックをより身近に感じることができます。
増患効果を高め集客にもつながる
クリニックの外観デザインは、患者様を引き寄せる効果ももっています。
外観が目を引き、話題になることで自然とクリニックの認知度が上がり、新しい患者様の来院につながりやすいです。
また、おしゃれな外観や、心地良い外観は既存の患者様のリピート率を高める効果もあります。
クリニックの外観は、増患効果を高め集客にも影響するため、しっかりとデザインしましょう。
クリニックの外観をデザインする際の8つのポイント
ここでは、クリニックの外観をデザインする際の8つのポイントを解説します。
以下のポイントを意識してデザインしましょう。
クリニックの外観をデザインする際の8つのポイント
- わかりやすいデザインを取り入れる
- 安心感を与えるデザインにする
- 受付までの導線をわかりやすくする
- アクセスの良さ考える
- 出入りのしやすい入口にする
- 立地や周辺の施設も踏まえる
- バリアフリー設計を取り入れる
- 安全基準を考慮する
それぞれ詳しくみていきましょう。
わかりやすいデザインを取り入れる
クリニックの外観デザインで最も重要なのは、わかりやすいデザインを取り入れることです。
クリニックが提供するサービスや専門性を一目で伝えられるよう、シンプルで直感的に伝わるデザインが求められます。
看板やロゴは、遠くからでも認識でき、どのような診療を行っているのかを明確に示すことが理想的です。
また、わかりやすいデザインを取り入れることで、親しみやすいクリニックと認知され、患者様は安心して来院できます。
診療科目を象徴するアイコンや色を用いて、視覚的に瞬時に認識できるようなデザインを目指しましょう。
安心感を与えるデザインにする
クリニックの外観が患者様に与える安心感は、来院の決め手となり得ます。
温かみのある色合い、自然光の多用、自然素材の採用など、リラックスできる環境を演出する要素は非常に有効です。
特に、ソフトな照明や木材を用いた外観は、患者様を温かく迎え入れる印象を与えます。
また、ロールカーテンやすりガラスなども設けて、見える部分と見えない部分をバランス良く組み合わせると良いでしょう。
親しみやすい外観は、患者様が安心して心地良く感じる空間を作り出し、ストレスの軽減にもつながります。
受付までの導線をわかりやすくする
クリニックへの来院をスムーズかつ快適にするためには、入口から受付までの導線が直感的に理解できることが重要です。
外観デザインによって、来院者を自然と受付に誘導する工夫を施しましょう。
たとえば、受付デスクの色や模様、照明の配置などを利用して、目に見えるガイドを提供することが有効です。
明確な案内表示や目印を設置することも、患者様が迷うことなくスムーズに受付にたどり着けるような工夫です。
アクセスの良さ考える
クリニックの立地と外観デザインは密接に関連しており、外観を通じてアクセスの良さを伝えることは非常に重要です。
公共交通機関の案内や、駐車場の有無と駐車可能台数を明示することは、来院を検討している患者様にとって大きな選定条件になります。
駐車場が広く確保されている場合や、特定のバス路線や駅からのアクセスが便利であることを、看板で明確にすることが望ましいです。
これにより、患者様は事前に来院の計画を立てやすくなり、クリニックへのアクセスに関する懸念点が払拭されます。
出入りのしやすい入口にする
来院しやすいクリニックにするためには、誰もが容易に出入りできる入口の設計が不可欠です。
広い自動ドアの設置や段差の解消、十分な照明の確保などが重要になります。
また、出入り口は患者様がクリニックに対して印象を抱く最初の場所のため、明るく開放的なデザインが望ましいです。
さらに、患者様が入口を見つけやすいように、視認性の高い案内や標識を設けることも重要です。
これらの工夫により、患者様はストレスなくクリニックを利用することができるでしょう。
立地や周辺の施設も踏まえる
クリニックの外観デザインを考える際には、その立地や周辺施設との調和も重要です。
たとえば、商業施設や住宅地の近くにあるクリニックでは、周囲の環境に溶け込むようなデザインが好ましいでしょう。
また、地域の特色や文化をデザインに取り入れることで、地域コミュニティの一員としてクリニックの存在感を高めることが可能です。
さらに周辺施設との連携を考え、薬局やリハビリ施設とのアクセスの良さをアピールすることも、患者様の利便性向上につながります。
バリアフリー設計を取り入れる
クリニックの院内だけではなく、外観にもバリアフリー設計は非常に重要です。
車椅子の利用者や高齢者の方、妊婦の方、小さなお子様を連れたご家族など、すべての方が安全に来院できる設計が望ましいです。
段差を無くしたり、スロープを設置したり、滑りにくい床材を選ぶなどの配慮や工夫をしましょう。
バリアフリーは、利便性のみならず、クリニックが提供するケアの質を象徴するものともいえるため、設計段階から細部にわたり考慮することが大切です。
安全基準を考慮する
クリニック設計時には安全基準の遵守が必須です。
耐震性や防火性に優れた材料選び、避難経路の確保、適切な照明と設備の設置が求められます。
建築基準法のみならず、医療法にも適合する設計も必要なため、安全と法的規制にしっかりと配慮しましょう。
法令に違反する設計は改修が必要なため、初期段階からの確認が不可欠です。
診療科別の外観デザインに取り入れるべき要素
診療科によって外観のデザインに取り入れるべき要素は大きく異なります。
ここでは、診療科別に分けて、取り入れるべき要素を紹介していきます。
内科
内科クリニックは高齢者の方が訪れることもあるため、広い入口とバリアフリーに配慮のある内装が推奨されます。
また、車椅子や杖を使用する方の通行の利便性を考慮し、通路も広く設計しましょう。
小児科
小児科クリニックには、キッズスペースを設置することが望ましいです。
お子様が遊べるスペースがあると、親子共に快適に過ごすことができ、来院率の向上につながります。
また、カラフルで明るいデザインもお子様にも好まれるでしょう。
歯科
歯科クリニックの外観には、歯のマークをキャラクター化したり、デザイン性のあるイラストを取り入れたりすると良いでしょう。
これらの工夫は、親しみやすさを演出し、来院を促すことができます。
特にお子様が来院する歯科医院は、かわいらしく明るい色使いで恐怖感を和らげ、ポジティブな印象を持たせる外観作りが重要です。
清潔感とリラックスできる空間の提供は、患者様の信頼と安心に繋がるでしょう。
整形外科
整形外科は、身体に怪我をした患者様が来院されることもあるため、1階に位置することが望ましいです。
また、院内は車椅子や松葉杖を使用する患者様も快適に過ごせるように広く設計することが重要です。
さらに、出入り口はさまざまな怪我をしている患者様を想定して、バリアフリーにしましょう。
美容外科
美容外科クリニックでは、患者様のプライバシーに配慮した設計が求められます。
そのため、外観は目立ちすぎずさりげない看板を用いることで専門性を表現し、訪れやすい雰囲気を作り出しましょう。
他者の目を気にせず安心して訪れられるよう、落ち着いた色合いと質感の高い材料を選び、高品質な印象のデザインを心がけましょう。
クリニックの外観デザインを設計する際の手順
クリニックの外観デザインを設計する際の手順は大きく分けて以下の3つになります。
それぞれについて詳しく紹介します。
- コンセプトとターゲットの明確化
- 事例や競合他社の分析
- 設計会社に依頼
コンセプトとターゲットの明確化
クリニックの外観デザインを決める前に、そのコンセプトとターゲットを明確にすることが重要です。
これはどのような印象を患者様に与えたいのか、どの患者層を主に対象とするのかを定義します。
たとえば、お子様が来院される小児科なら、明るく楽しい外観が良いでしょう。
また、高齢者の方をメインターゲットとする内科なら、バリアフリーに配慮し、アクセスしやすく安心感とわかりやすいデザインが適切です。
コンセプトとターゲットを明確にしていなければ中途半端なデザインになることもあるので、しっかりと考慮しましょう。
事例や競合他社の分析
競合他社のクリニックを比較することで、どの外観デザインが患者様に好評であるかを読み取ることができるため、よく分析をすると良いです。
SNSやウェブサイト、口コミ評判を通じて成功事例を収集し、患者様のニーズや好みを読み取りましょう。
また、直接他のクリニックに足を運ぶのもひとつの有効な手段です。
現地調査することにより、実際にどのようなデザインが採用されているか、外観が周囲の環境にどのように溶け込んでいるかなど直接確認できます。
このようにして得た情報をもとにデザインを計画することで、患者様にとって魅力的かつ利便性の高いクリニックが開業できるでしょう。
設計会社に依頼
コンセプトとターゲットが明確になったら、設計会社にデザインの設計を依頼します。
専門的な知識と経験を持つ設計会社を選ぶことで、理想とするクリニックを形にすることが可能です。
設計会社は、機能性と美しさを兼ね備えた外観デザインを提案し、法規制や安全基準にも配慮した設計を行ってくれます。
また、早めにデザインを依頼し、コストやスケジュールなどを確認することで、予期せぬトラブルに対応できます。
適切な会社選びをすることがクリニックの成功を左右するため、実績やポートフォリオを比較して慎重に検討しましょう。
外観の工事費用を安く抑える方法
デザインが完成し工事となると、大きな工事費用が必要です。
少しでも工事費用を抑えるためには以下の2つの方法を試しましょう。
外観の工事費用を安く抑える方法
- 相見積もりを行う
- デザインをこだわりすぎない
それぞれ詳しくみていきましょう。
相見積もりを行う
相見積もりは、工事費用を効果的に抑える方法のひとつです。
複数の建築会社から見積もりを取得し、それぞれの提案内容と費用を比較します。
相見積もりを行うことで、コストとサービスのバランスが最も取れた業者を選ぶことができます。
価格だけではなく、過去の実績や提案の質も評価基準に加えることが重要です。
デザインをこだわりすぎない
デザインにこだわり過ぎると、予算オーバーの原因となってしまうでしょう。
外観デザインは、こだわるところはこだわり、そのほかはシンプルにする事で、余分な費用を削減できます。
たとえば、使用する材料の種類を限定したり、装飾を最小限に抑えたりするなどの方法があります。
機能性を重視し、無駄のない設計を心掛けることで、コストパフォーマンスの高い外観を実現できるでしょう。
まとめ
この記事では、クリニックの外観をデザインする際のポイントや工事費用を抑える方法について解説しました。
外観は患者様のクリニックに対する第一印象を決める大切な要素です。
診療科、ターゲット、コンセプトによって外観のデザインに取り入れるべき要素は異なります。
そのため、この記事で紹介したポイントや要素を取り入れて、患者様に選ばれるクリニック作りを目指しましょう。
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