COLUMN

2020.05.26

〈失敗しない美容クリニック06〉【美容クリニック開業後の経営のポイントは?】

「失敗しない美容クリニック開業」第6回目は、開業後の経営にあたり求められる視点や、安定した長期経営のためにおさえておきたいポイントを解説します。

 

美容医療の技術以外に求められる視点とは

 

美容クリニックの院長となるドクターにとって美容医療のたしかな技術は必須です。

しかし、非常に腕のよいドクターであっても、クリニックを運営するためのマネジメントや財務・法律についての知識は、過去に詳しく学ぶ機会がなかったというケースが圧倒的に多いでしょう。

経営の基本は「収益は最大化し、コストは最小化すること」といえます。

日々の診療や施術に加え、さまざまな角度から収益アップに向けての課題発見や改善をすすめなければなりません。

保険が適用されない自由診療の分野においては特に、新しいメソッドや医療機器の導入検討・他院での成功事例の研究・市場調査など、医師としての視点に加え経営者としての視点が重要になってきます。

 

「最初の1歩」と「リピーター」の両輪

 

安定した経営のためには、新規患者の獲得とリピーター化がともに順調でなければなりません。

開業当初の周知・集患には広告が効果的です。

一般的に、医院やクリニックの売り上げに対する広告費の割合は約5%~10%が平均だといわれますが、自由診療の多い美容医療分野では40~50%に達するケースもみられます。

ただし医療広告にはガイドラインによってかなり厳しい規制があり、使ってはいけない用語などが多く、大々的に効果やビフォーアフターをうたうのが難しいことに注意しなければなりません。

クリニックの専門性や得意分野などのコンセプトをしっかりと決めることで、制約がある中でも選ばれるクリニックに近づきます。

また、継続的に来院してもらうためには、通常の医療機関以上に、患者満足度(PS=Patient Satisfaction)の把握が重要になります。

多くの場合は女性患者がメインとなる美容クリニックでは、内装デザインのよしあしもリピート率に影響を与えます。

 

▼【美容クリニック開業】内装デザイン会社選びで重視するべきポイントは?

https://www.ak-co.jp/column/clinic-04/

 

最近ではスマホなどから無記名でアンケートに回答してもらえるシステムも揃っていますので、それらを導入するのもリピーター獲得方法の1つです。

 

スタッフの満足度も経営を左右する

 

スタッフの満足度も安定経営に欠かせない要素です。

スタッフの定着率が低いと、採用業務や新規スタッフの研修などに時間が取られ、施術の向上や既存患者のケアなどに手が回らないという本末転倒の事態になってしまいます。

給与や働きやすさなど待遇面に加え、しっかりとした経営ビジョンを持っておくことも大切です。

経営ビジョンには金銭的なものだけでなく、「この分野に力を入れて1人でも多くの女性の肌の悩みを改善し、笑顔で毎日を送ってほしい」といった、開業の目的や実現したい医療などの理念や診療コンセプトも含まれます。

採用時には、実務だけでなくクリニックの理念も伝え、共感してもらえればスタッフ自ら考えて動いてくれるようになり、ひいては顧客満足度にも結びつくでしょう。

 

 

 

おわりに

「失敗しない美容クリニック」シリーズ6回目は、クリニック経営で重要な視点や力を入れるべきポイントについて紹介しました。

美容クリニック開業時の参考となれば幸いです。

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