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美容皮膚科クリニックの内装をデザインする際の重要なポイントとは?
美容皮膚科クリニックの内装をデザインする際は、ただ美しいだけではなく、機能性と快適さを兼ね備えた空間創りをすることが大切です。
患者様にとって、クリニックはただの医療施設以上の意味を持ち、心身のリフレッシュや自己改善の場としての役割も果たしています。
特に内装においては、利用者にとって安心感を与え、同時にクリニックのブランドイメージを高めるデザインが不可欠です。
この記事では、美容皮膚科クリニックの内装をデザインする際の重要なポイントや内装業者を選ぶ際の注意点などを解説します。
美容皮膚科クリニックの特徴
美容皮膚科クリニックとはどのようなクリニックなのでしょうか。
ここでは、美容皮膚科クリニックの特徴について詳しくみていきましょう。
美容皮膚科クリニックってどんなクリニック?
美容皮膚科クリニックは、美と健康の追求に特化した医療施設です。
たとえば、肌の質感改善やアンチエイジング、ニキビやシミの治療といった美容目的の治療が挙げられます。
そのほかにも必要に応じてアトピー性皮膚炎や乾燥肌などの皮膚疾患の治療も行います。
特に、シミ取りやニキビ跡治療などは、先進的なレーザー技術や医療薬品を用いて効果的に行われ、患者様の具体的な悩みに沿った治療を行います。
美容外科や皮膚科とは何が違うの?
美容系クリニックは大きく美容外科と美容皮膚科に分類されます。
美容外科は、顔や体の形を変える整形手術に重点を置いており、二重まぶたの形成や脂肪吸引などが代表的です。
これに対し、美容皮膚科は肌質の改善や皮膚の健康を目的としています。
先ほど述べたように、シミ取りやニキビ跡の治療など、肌そのものをより美しく見せるための処置を行います。
パウダールームが完備されている
美容皮膚科クリニックには、患者様のプライバシーと快適性を重視したパウダールームが完備されています。
治療前には化粧を落とす必要があり、施術後には外見を整えて日常生活に戻るためにも、化粧直しのための設備が必要です。
そのため、美容皮膚科クリニックでは清潔感があり使い勝手の良いパウダールームが欠かせません。
このような環境があることで、患者様は治療の前後にリラックスして時間を過ごすことができ、クリニックに対しての信頼感や満足度も高まるでしょう。
カウンセリングが重要
美容皮膚科クリニックでは、治療を受ける前に患者様とのカウンセリングを行っています。
この段階で、患者様の悩みや希望を詳しくヒアリングし、悩みの解決に向けた最適な治療プランを提案します。
カウンセリング時の対応を通じて、いかに不安を和らげ患者様に安心していていただけるか、信頼関係を築けるかということが重要です。
美容皮膚科クリニックの内装をデザインする際に重要な6つのポイント
美容皮膚科クリニックの内装デザインは、美しい空間を作るだけでなく、機能性と患者様の快適性を兼ね備えた環境の提供が必要です。
ここでは、クリニックの内装をデザインする際に重要な6つのポイントを紹介します。
誰でも安心して過ごせるような内装
美容皮膚科クリニックの内装は、患者様一人ひとりが安心して過ごせるよう設計する必要があります。
「施術の不安」「容姿への悩み」といった心の負担を軽減するため、温かみのある色合いの壁紙、柔らかい光を放つ照明などを設置すると良いでしょう。
これらの心地良い環境が患者様の不安を和らげ、クリニックへの信頼感を深める第一歩となります。
清潔感がある
美容皮膚科クリニックにおける清潔感は、患者様に安心感を与える重要な要素です。
特に壁面や床材は汚れが付きにくく、容易に清掃できるものが望ましいです。
また、光沢のある表面や明るい色彩は空間を広く清潔に見せる効果があります。
さらに、照明は均一で明るく、ダストや汚れ、キズなどが目立たないように配置することも大切です。
日常的なメンテナンスが容易で、いつでも清潔かつ整頓された状態を維持できる内装作りこそ、理想的な美容皮膚科クリニックの内装につながります。
換気設備が完備している
美容皮膚科クリニックでは、換気設備が患者様の健康を守るために不可欠です。
化学薬品使用による有害物質除去だけでなく、新型コロナウイルス対策としても常に清潔な空気を維持することが重要です。
施術の際、化学薬品の使用があるため、空気中の有害物質を効率的に排除し、常に新鮮な空気を供給するための設備が求められます。
治療室内の空気をきれいな状態に保つことで、患者様にとってより健康的な環境を提供することができます。
ブランドイメージを損なわない
クリニックの内装は、そのブランドイメージを反映する鏡のようなものです。
デザインコンセプトや色使い、ロゴの配置に至るまで、一貫性をもたせることが重要になります。
クリニックが目指しているイメージを体現するデザインは、患者様に安心感と信頼感を与え、クリニックの価値を高めます。
細部にまでわたる配慮が、ブランドイメージの強化に繋がるでしょう。
きちんとプライバシーが保護される
美容皮膚科クリニックにおいてプライバシーが保護できる内装作りも非常に重要になります。
特に美容関連のクリニックでは、施術内容などの個人情報を他の患者様に知られたくないという傾向があります。
カウンセリングルームや診察室では、適切な防音設計や間仕切りを設けることで、外部からの視線や音漏れを防ぐことができます。
また、患者様同士が会わない導線設計にすることで、プライバシーを保護しながら治療を受けることが可能です。
きちんとプライバシーが保護されるデザインや設計を考えましょう。
基準など法律に従っている
クリニックの開業は、必ず法律に従う必要があります。
消防法や建築基準法をはじめとする関連法令に沿った計画は、安全性と合法性を保証する上で不可欠です。
内装の図面を事前に消防署や保健所に提出し、承認を得る手続きが必要となります。
こうした法規制に対応するためには、専門家の意見を参考にしつつ開業の計画を進めることが大切です。
美容皮膚科クリニックの内装工事の費用
美容皮膚科クリニックの内装工事は、一体いくらぐらい必要なのか気になる方も多いのではないでしょうか。
ここでは、美容皮膚科クリニックの内装工事の費用と内装の工事費用を抑えるための方法を解説します。
内装工事費用は坪単価によって異なる
美容皮膚科クリニックの内装工事費用は、坪単価に大きく左右されます。
坪単価は10万円から50万円程度と幅広く、物件の規模や種類、「居抜き物件」か「スケルトン物件」かによっても大きく異なります。
大まかな費用の内訳と割合は以下のとおりです。
項目 | 坪単価 10万円〜30万円 (居抜き物件) | 坪単価 30万円〜50万円 (スケルトン物件) |
デザイン費 | 全体の10% | 全体の10% |
施工管理費 | 全体の10% | 全体の10% |
内装費(壁や床など) | 全体の40% | 全体の40% |
設備費(電気や水道など) | 全体の30% | 全体の30% |
諸経費 | 全体の10% | 全体の10% |
合計 | 100% | 100% |
内装工事を依頼する場合は、参考にしてみてください。
内装の工事費用を抑えるためには?
内容の工事費用を抑えるためには、主に以下の3つの方法があります。
内容の工事費用を抑える方法
- 相見積もりをとる
- 居抜き物件を活用
- 補助金などの利用
それぞれ詳しくみていきましょう。
相見積もりをとる
相見積もりを取ることは、内装工事の費用を抑える上で効果的な手段です。
複数の業者から見積もりを集めることで、費用やスタッフの対応、実績などの要素を比較し、最適な業者を選定できます。
市場の相場を知り、無駄なコストを省きつつ、質の高いサービスを受けるための重要なステップとなります。
居抜き物件を活用
新規に内装を施工する代わりに、前のテナントが残した設備が利用可能な居抜き物件を選ぶことで、大幅に初期費用を削減できます。
ただし、居抜き物件を選ぶ際には、既存の設備が美容クリニックを運営するうえでの条件が合致しているか確認することが大切です。
また、修繕が必要な場合のコストを事前に確認する必要があります。
補助金などの利用
国や地方自治体が提供する補助金や助成金を利用することで、内装工事にかかる費用の一部を賄うことができます。
たとえば、小規模事業者持続化補助金や事業再構築補助金などがあります。
これらの補助金は申請条件や利用可能な金額が異なるため、適用可能かどうかを事前に調査し、申請手続きを行うことが必要です。
内装業者を選ぶ際の注意点
内装業者を選ぶ際は、以下の5つの点に注意しましょう。
内装業者を選ぶ際の注意点
- 実績は豊富か
- クリニックの内装に精通しているか
- ワンストップ体制の業者か
- アフターフォローが充実しているか
- 口コミや評判もチェック
それぞれ解説していきます。
実績は豊富か
内装業者を選ぶ際は、その業者の実績を確認することが非常に重要になります。
特に、美容皮膚科クリニックなど特定の業界に特化した経験があるかどうかを見ることが大切です。
過去に手掛けた内装やデザイン、スタイルがクリニックのコンセプトやビジョンに合致するかを確認しましょう。
クリニックの内装に精通しているか
美容関連のクリニックの内装には、適切な設計が必要です。
たとえば、待合室や治療室は患者様に安心感を与えると同時に、高い衛生基準を満たす必要があります。
選ぶ内装業者が医療施設のための特別な素材選びなどの専門性の高い知識をもっているか、確認することが重要です。
専門業者ならクリニックのニーズを理解し、適切な提案をしてくれるため、患者様にとって快適な空間作りが実現できるでしょう。
ワンストップ体制の業者か
ワンストップ体制の内装業者に依頼することは、クリニック開業においてかかるコストと労力の大幅な削減に繋がります。
建築から内装、空調、電気設備、家具選びに至るまで、クリニック開業にはさまざまな準備が必要です。
これらを個別に業者へ発注すると、多くの手間や時間がかかり、開業準備の負担が増大します。
ワンストップ体制の業者を利用することで、すべての工事を一括管理でき、プロジェクト進行の効率化とコスト削減が実現可能です。
アフターフォローが充実しているか
内装業者を選ぶ際は、施工後のアフターフォローの充実度も重要なポイントです。
保証期間の長さや定期的なメンテナンスなど、万が一の問題に対しても迅速かつ適切に対応できる体制が整っているかを確認しましょう。
良質なアフターサービスは、長期的にクリニックを運営する上での安心材料となります。
口コミや評判もチェック
口コミや評判をチェックすることは、内装業者選びにおいて非常に重要です。
公式サイトの口コミだけでなく、SNSや口コミサイトなど、複数の媒体から情報を集めましょう。
実際にサービスを利用した人の声は、サービスの質や業者の信頼性を判断する上で貴重な手がかりです。
特に、問題発生時の対応やアフターサービスの質に関する評価は、後悔のない業者選びをするために重要なポイントです。
さまざまな視点から業者を評価することで、より安心して依頼できる業者を見つけることができます。
美容皮膚科クリニックの内装工事を失敗しないためには?
美容皮膚科クリニックの内装工事を成功させるためには、事前の準備と計画が鍵となります。
以下の3つのポイントを抑えることで、失敗を避けスムーズに工事を進めることができます。
美容皮膚科クリニックの内装工事を失敗しないためのポイント
- コンセプトを明確にしておく
- 多めに資金を確保しておく
- 申請する書類関係をまとめておく
それぞれ解説していきます。
コンセプトを明確にしておく
クリニックの内装デザインにおいて、全体のコンセプトを事前にしっかりと定めておくことが重要です。
患者様に提供したい空間の雰囲気や機能性を考慮し、内装のスタイルや色彩、素材選びの基本となるコンセプトを設定します。
このコンセプトが明確であればあるほど、内装業者とのコミュニケーションもスムーズになり、理想のクリニックが実現しやすくなります。
多めに資金を確保しておく
予算計画は、常に余裕を持たせておくことが望ましいです。
工事中に想定外の追加費用が発生することは珍しくないため、予算を少し多めに見積もっておくことで、柔軟に対応できます。
事前に概算費用を把握したうえで予算計画を立てましょう。
申請する書類関係をまとめておく
クリニックの開業には、地方自治体や専門機関への申請が必要となる場合があります。
工事に入る前に必要な許可書や申請書類を確認し、準備を整えておくことが重要です。
また、補助金を申請する場合も同様に書類が必要になります。
書類に不備があると工事の進行に遅れが生じるため、開業スケジュールに余裕を持って準備を進めましょう。
まとめ
美容皮膚科クリニックは、プライバシー保護や安心感のあるデザインが重要になります。
また、実際の工事費用は規模や選択する素材、デザインの複雑さによって異なります。
予算計画には十分な余裕を持ち、スムーズにクリニックを開業できるように心がけましょう。
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