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COLUMN

2020.09.25

<美容クリニック開業に向けて③>音・素材・サインの計画

 前回、前々回では、美容クリニックのデザインと動線計画についてお話ししました。

 美容クリニックを開業しようと考えていらっしゃる方は、出店する場所の目処が立った後に「どんなデザインが良いか?」「スタッフの使いやすいプランは?」と考えられると思います。ここまで煮詰まってくると美容クリニックの計画は大筋出来上がると言って良いですが、ここからの細部の詰めをしていくことが、長くつつがなく営業していく上で重要になってきます。

 今回はその中でも設計上気をつけている3つの点について書いていきます。

 

◼︎設計上の3つのポイント

 

 美容クリニックの計画をする上で重要視しているポイントを3つ挙げます。

 ・音の計画

 ・マテリアルの計画

 ・サインの計画

 この3点について、以下解説して行きます。

 

◼︎音の計画

 

 カウンセリングや診察では患者様のプライベートな情報をお聞きするため、話の内容が外に漏れないよう配慮する必要が多いと思います(完全予約制で少人数対応の場合には、オープンなカウンセリングコーナーで対応することもあります)。

 カウンセリング室や診察室は診療の前段階に使用する部屋ですので、待合室から近い位置に配置することが多いため、防音に配慮した壁の作りとします。

具体的には壁をスラブまで立ち上げ、壁の中にグラスウールなどの吸音材を入れたり遮音シートを挟むことで対応しますが、最近のオフィスビルでシステム天井を採用しているビルでは天井を壊すことが難しい場合もあるので注意が必要です。

 またトイレも新設する場合には待合室の付近に配置することが多いため、音に配慮すると共に、出入り口が直接待合室から見えないよう平面上の工夫をしたいところです。

 

◼︎マテリアルの計画

 

 床や壁、天井、什器に使用する具体的な素材をマテリアル(内装材)と呼びます。

「美容クリニック開業に向けて①」で触れたように、エントランスや待合に関してはクリニックのコンセプトに合ったイメージを強調するマテリアル選択をし、処置室やバックヤードに関しては機能性を重視した掃除のしやすい素材を用いるといった使い分けをします。そうすることで全体に均等にコスト配分をするのではなく、かける所とかけない所を明確に分けることで全体のコストバランスをとっていきます。

 またクリニックは不特定多数の方が出入りする場所ですので、耐久性とメンテナンス性の観点も大切です。傷がつきにくいこと、万一傷がついても補修がしやすいこと、抗菌性や劣化しにくい素材を選択するようにしています。

 ただし微妙な配色の違いや素材の質感によって空間の印象は大きく変わりますので、一つの素材の好き嫌いや良し悪しだけで考えるのではなく、他の素材との相性や機能性、コストといったトータルバランスを考慮しながら選択していく必要があります。

 

◼︎サインの計画

 

 クリニックは機能性を重視し同じサイズの部屋が多数並列に配置されるため、一つの廊下に沢山の扉が並ぶ構成となりがちです。患者様側がどこの部屋に入れば良いのか迷ってしまうことのないよう、部屋の名称を扉なり壁なりに視認性良く配置することがサイン計画、ということになります。

 さて凡庸になりがちなクリニックの廊下ですが、このサイン計画自体が空間デザインの大事な要素となります。視認性が良く、分かりやすいようシンプルに、かつ空間のデザインのアクセントとして聞いてくるようなワード(英語にするのかカタカナか漢字か)、サイズ、フォント、色、素材、立体感。それらを的確に選択しデザインする必要があります。

私達も現場で壁が立ち上がった頃にサインのサンプルを持って現場に行き、実際の壁に当てて「ちょっとだけ大きくしよう」「もう少しグレーを濃く」「あと2cm上に」といった風に最終確認を行います。

 

◼︎最後に

 

 美容クリニックの計画において必要なのは、患者様へのホスピタリティを前提としたデザインアプローチと、実際に利用するスタッフの方が快適に使える合理性の両立です。

クライアントの方々がお持ちの美容クリニックの理想像を実現し、そして地域の方々に愛されるクリニックとすること、そのお手伝いを弊社にぜひさせて頂きたいと考えております。